価格:¥6600
著者:中村美子
出版社:和泉書院
発行年月:2007年11月
ISBN:9784757604353
種類:全集・双書 (近代文学研究叢刊)
在庫状況:お取り寄せ
夏目漱石は、ごく若い時期から、“人のこころ”というものを、目をそらすことなく、凝視し続けた作家である。『心』広告文において自ら語った、「自己の心を捕へんと欲する人々に、人間の心を捕へ得たる此作物を奨む。」という自信は、晩年に至って、さらに確たるものとなったに違いない。絶筆『明暗』において、“人のこころ”は、社会・人間関係の座標軸に布置した状態で、精細に表象化される。だから、『明暗』は現代の我々の興味をも、惹き付けてやまない。本書は、方法論を論じた部分、人間関係における「技巧」に照準を合わせて『明暗』を論じた部分、芸術上の「技巧」について論じた部分、両者の関係について論じた部分とから成る。巻末に、六〇〇件に及ぶ、『明暗』研究文献目録(一九一六年から二〇〇三年)を付す。
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