価格: | ¥12100 |
著者: | 渡瀬茂 |
出版社: | 和泉書院 |
発行年月: | 2016年04月 |
ISBN: | 9784757607798 |
種類: | 全集・双書 (研究叢書) |
在庫状況: | お取り寄せ |
魯の春秋にはじまる編年体史書の歴史は、平安朝において日本的な展開を示し、かな散文に出会うことによって日本語の歴史叙述である栄花物語を生み出した。本書では儒教思想に淵源を持つ編年体の時間と機構が、かな散文の文章による作品として実現するさまを探り、また仏教思想の高潮が深く刻印を与えるさまを確かめた。そこには栄花物語の二つの相貌、すなわち「年代記」と「信仰の書」という、異なった相貌が見いだせる。関心を持たれることの少なかった栄花物語が、多様な史的観点から研究可能であり、平安文学ひいては日本文学において重要な作品であることを明らかにする。