本書は全体で20章よりなり透析医療とそれに関係する領域の幅広い知識が得られるよう工夫されている。すなわち第1章の「医学体系における血液浄化療法と透析技術認定士の位置づけ」に始まり、腎に関係の深い人体の解剖、生理など、基礎的な説明に続いて血液浄化の原理から工学的基礎知識や装置の構造、機能が述べられている。さらに血液浄化療法の実際面が紹介され、あわせて各種浄化療法の身体に及ぼす影響などについて触れられている。これに加えて、治療の実際や、操作の身体に対する影響などをはじめ、事故とその対策、臨床検査や透析室の運営・管理に及ぶ広い範囲の知識が得られるよう工夫されている。さらに腎不全患者の心理と医療者の関わりなど心の問題にも触れ、あわせて腎不全治療のもう一つの方法である腎移植についても知識が得られるようになっている。