解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・セラピー:SFT)が熱狂的に紹介・導入されてからかなりの時間が経過したが、その理論や技法が単純でわかりやすいものであるのにくらべ、それを臨床現場で実践するにはさまざまな困難が生じ、その効果や有用性に疑問が持たれることも多い。本書は、基本的なSFTの考え方から、その習得の仕方と現場での効果的な実践法、さらには解決志向でない機関や治療者と共同して治療を進める場合の工夫や考え方までを詳述したものである。個人セッションだけでなくグループでの適用、スーパービジョンと治療チームのあり方、青年期や子どもへの対応の仕方など、実践で出会うさまざまな状況でSFTをどのように実践し、それがどのように奇跡的な効果をもたらすのかが、治療の段階を追って具体的に解説されている。