ハワイ奇襲攻撃に成功した山本五十六司令長官は、つづいてマリアナ海戦へと駒を進めていった。そんななか、零戦を操縦させたら類い希なる戦闘テクニックを発揮する中田竜蔵は、海軍空技廠技術開発部が送り出してきた新型戦闘機『闘龍』『鐘馗』の実験パイロットとして、戦火のまっただなかに飛び込んでいく。さすが「ゼロ・ファイター」の称号を持つ天才的撃墜王だけあって、竜蔵は群がり寄せる敵機をつぎつぎと屠っていくが、実験機ゆえの操作不能から被弾して不時着水し、溺死寸前のところを第二航空戦隊の駆逐艦『漣』に助けられた。山口多聞率いる第二航空戦隊の旗艦空母『飛龍』戦闘隊に配属された竜蔵は、慣れ親しんだ零戦に乗って、敵空母『ヨークタウン』から発進してきたＦ４Ｆと大空戦を展開する。ふたたび竜蔵の目の前に現われた宿命のライバル、ショー・ケイン。日米の若き撃墜王が、ミッドウェイの空を血と炎で紅く染めあげる。