黄金の蛇が瑪瑙の髑髏を抱き、鎌首をもたげている。深手をおった隠密おもんの乳房のあいだからぽろりと落ちた細工物、これが大事件のとっかかりだった。神谷平蔵の剣友、井手甚内。この無外流達人とその恋女房に、どんな秘密の過去があるのか。妖しい影が甚内をつけねらい、事件は意外にも幕府の貨幣鋳造をめぐる疑惑に発展する。-町医者暮らしになじんだ平蔵に、千両・万両の賄賂の話はピンとこないが、黙って見過ごすには無法すぎる。甚内を救い、幕政の暗部に巣食う悪党どもを征伐するために、ぶらり平蔵が立ち上がる！正義の剣が冴える痛快剣豪小説シリーズ、第３弾。