戌井又市は、鐘捲流の名人佐治一竿斎の落し胤なのか？鋒があやしくゆれて、相手を眩暈にさそいこむ又市の妖剣。つぎつぎに人を殺める又市は、すでに人斬り地獄に堕ちてしまったのか…。磐根藩でまたまたお家騒動が発生。もとはといえば藩主の色好みが火種のこの内紛に、悪党どもがつけこんだ。医者にして剣客の神谷平蔵だが、ここのところ剣客稼業に忙しい。蝋燭の炎をゆらがさずに両断する秘剣「霞の太刀」を一竿斎からじきじきに伝授され、運命の糸にあやつられるように磐根藩へと乗りこんでいく。秘剣と妖剣が対決する痛快剣豪小説シリーズ、第４弾。