「みなさん、ようこそ、わがサーカスへ。いまからすばらしいショーのかずかずをごらんにいれます。まず最初に世界一おかしいピエロとがんこなロバでございます」サーカスのオーナーは、むちをパチッとならして、ショーの始まりをつげました。ところが、ピエロもロバもただそこにたったまま、すこしも動きません。オーナーが「ほら、いつものようにとびはねるんだ!」と大声でどなると、ピエロは「いやだ」といいました。ピエロとロバとそのなかまたちはウソだらけのサーカスをきっぱりとやめました。みんなのほんとうの旅はそこから旅まったのです。みんなで力をあわせて、あたらしいサーカスをたちあげようじゃないか。ピエロとロバ、ウマとキリン、ライオとイヌもいっしょにつれだって、いままでにないおどろきにみちたショーを、ゼロからつくる。ほんとうの自分というものは立ちあがって初めて見つかる。