価格: | ¥1870 |
著者: | 松平盟子 |
出版社: | ふらんす堂 |
発行年月: | 2023年07月04日 |
ISBN: | 9784781415444 |
種類: | 単行本 (歌集 百首シリーズ) |
在庫状況: | 在庫あり |
明治時代にあって三〇代を生きるとは、若さとの決別を促されることだった。次々と出産した晶子は身体的にも疲労を重ね、一家の経済的な支柱であり続けることはさらに過酷だったと想像される。「若き日は尽きんとぞする」の予感は、平らかに続く野が突然海へとなだれ込んでいく映像として描かれ、なすすべなく委ねるしかない宿命への不安と悲哀が漂う。晶子の卓越した比喩の力が説得力を感じさせる。