フランス菓子は、どれをとっても、どうしてあんなに美しくて、おいしいのでしょう。この本では、材料や作り方からはもちろん、強力なブルボン王朝が食文化、なかでもお菓子に与えた影響や、絶対王政から現在にいたるまでに輩出した天才製菓人たちの仕事ぶり、彼らを支えた無名の職人たちの役割から、さらには日本に伝えられた洋菓子が、どのような人びとによって育くまれていったかなど、さまざまな角度からフランス菓子のおいしさの秘密に迫っていきます。軽妙洒脱な語り口を味わいながら、お菓子の背後に隠れているフランスが、しだいにはっきりと浮かび出てくる素敵なエッセイ。