価格: | ¥4180 |
著者: | 谷浦英男 |
出版社: | 草思社 |
発行年月: | 2000年03月 |
ISBN: | 9784794209535 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
昭和十八年アメリカは新造の空母と戦艦を中心とした大機動部隊の編成を終え、ギルバート・マーシャル方面からの反攻を開始する。日本海軍の計画によれば、これらの島につくられた航空要塞が敵を迎え撃ち、大損害を与えるはずであった。ところが、想像を絶する米軍大兵力の来攻で、航空要塞は何の役にも立たず、陸戦隊のみの戦いとなった。島を守るのは海軍陸戦隊二個大隊二千数百名。頑強に抵抗し、敵に同等以上の損害を与えたものの、三日半で玉砕する。本書は玉砕三カ月前までタラワで先任中隊長をつとめていた著者が、この戦いの全体を描いた渾身の戦記である。海軍内部の人間関係が見事に描かれていると同時に、前線部隊の将兵たちの勇敢さとは対照的に、秀才を集めた司令部の齟齬という、日本海軍がもっていた宿痾もまたよく見えてくる。ここには現在に通じるものがある。