価格: | ¥1870 |
著者: | 川口マーン惠美 |
出版社: | 草思社 |
発行年月: | 2004年12月 |
ISBN: | 9784794213686 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
ひところドイツは福祉大国ともてはやされ、われわれの模範とすべき国とされていた。著者もいうように、メガネも保険でタダでくれるほどだった。年金も失業保険もうらやむべきものだった。ところがである。これらのものがすべてマイナスに働き始めたのである。失業保険をあてに働かない若者を生み、会社負担の社会保険料の値上がりをきらって、企業は人員削減に励み、それが失業を増大させる。そして次にくるのは税の減収である。さらに追い打ちをかけるように決定打がやってくる。東西両ドイツの統一である。国民的昂揚は瞬く間に消え、西側から東側に莫大なお金が流れたが、旧東ドイツは一向に復興しない。堅実なドイツはどこへいったのか。著者はゆらぐドイツを描くことに見事に成功した。まれにみる現代ドイツ論が誕生した。