“近親相姦”-この４文字の言葉には、強烈なエロティシズムがひそんでいます。あってはならない背徳の性ゆえに燃え上がる、淫靡な姿態が垣間見えるからかもしれません。母と息子、父と娘、兄と妹…と、許されぬ愛が交錯するその世界は、表に現われないだけに覗いてみたくなるからでしょうか。本書に収められた告白手記は、人には言えない禁断の性に身を委ねる人々の、愛の証としての貴重な記録でもあります。