価格: | ¥2200 |
著者: | 岩田正美 |
出版社: | 中央法規出版 |
発行年月: | 1996年12月 |
ISBN: | 9784805815205 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
わが国における介護問題の重要性と深刻度は、政府が「新ゴールドプラン」や「公的介護保険構想」をうち出すという事実に象徴されている。とりわけ、介護体制のレベルを決める決定的要因に財源があることから、公的介護保険制度が今日的焦点となり、多くの論議が相ついでいる。ところが、これらの論議の中心はあくまでも社会サービス供給財源の確保がベースになっている。しかし、社会福祉理論における「主体性原理」からいえば、介護に関する論議や理論は要介護者や家族の生活そのものを基本に据えて、構築されなければならない。また、社会サービスの制度、政策は現実のニーズを客観化し、それを基礎として構築されない限り、その実効性に限界をうむことになりかねない。本書は、このような認識と視点を踏まえ、供給財源確保論を補い、それを越えようとしたものである。介護にかかわる当事者レベルともいうべき「個別家計における介護費用」と「供給組織の経営費用」の課題が、社会サービス供給財源確保問題と表裏の関係にあることを実証した、画期的な研究成果であるといえる。