仏教は生きるかぎり迷う。悩む。そうしたときに、私たち日本人は何に答を求め、何に救いを見出そうとするのだろうかー。このところ「仏教」が熱い注目を集めているのは、こうした事情が背景にあるからにほかならない。よく、仏教は難しいといわれるが、その難解さは、壮大な知恵に裏打ちされた無限のひろがりと深さの証なのである。そして私たち現代人は、そのひろがりと深さのなかに、生きる答と救いを求めているのだ。本書はそのエッセンスを集めたものである。