メコン川は六つの国を流れています。そのうち、ラオス、カンボジア、ベトナムの３国では、それぞれの国でいちばん重要な農業地帯をつらぬき、良くも悪くも住民の生活や国の経済に深く関係しています。不幸なことに、これらの国々では長く内戦が続き、国力が衰えました。自然のままに放置されているところの多いメコン川の整備は、国力の回復にも民生の安定にも欠かせません。この本も、そうした視点から、中流・下流の地方に重点を置いて書かれています。私たちも、いっしょに考えてみましょう。