小児栄養に関する従来の実習書は、技術的な面にかたよっている傾向が強い。小児の健康づくりに当たっては、日常の生活リズムを健康的に整え、規則正しい生活、バランスのとれた食事、十分な睡眠・休養の大切さを身につけさせ、そして日常生活で実践できるような環境を整えてやることが大切である。特に、「保育所保育指針」（二〇〇〇年四月施行）が改定され、保育の新しい方向として十分養護の行き届いた環境のもと、乳幼児の健康と豊かな人間性を養い、自発的な活動の芽を伸ばしていくことが重要視されている。本書は、このような観点に立って、保育士および栄養士養成施設の教科課程で示されている小児栄養演習の教科・演習の教科書として理解しやすいよう平易・簡潔・実用性に配慮してまとめたものである。