「よいか、禅師、この寺を荒らした７匹のけだものは、かならず女の手によって討ち果し、そのはてに会津の四十万石をたたきつぶしてくれようぞ」千姫は凛然として沢庵と柳生十兵衛に言った。会津四十万石加藤明成は淫虐の魔王ともいうべき大名。家老の堀主水は毎々諌言をしたが、ついに主家を見限って退転し、一族の女３０人を鎌倉の東慶寺に託し、高野山に入った。怒り狂った明成は幕府の許可状を基に会津七本槍を使い、主水一族と女達を捕えて江戸にひきずっていく。芦名銅伯によって育った幻法を繰る七本槍と戦う女達に味方する柳生十兵衛。忍法対剣法の凄絶な闘いを描いた山田風太郎の代表的傑作長篇スタート。