神田明神の祭りの朝、チャキチャキの江戸っ子・高橋星太は自分が、龍と人の性を受けた半龍公子だという夢を見た。だが、父親の熊茂にその話をすると烈火のごとく怒りだし、朝っぱらから周りの迷惑省みず親子二人の大立ち回り。星太を迎えにきた幼なじみの咲耶が止めに入り、無事、星太は御興を担ぎに神田明神へと向かった。ところが神田明神で星太は奇妙な体験をするのだ。作り物の龍が動き出し、天空から巨大な手が伸び、さらには自分が得体の知れない力を発揮したのである。はたして、これはどうしてしまったのか？星太はいったい何者なのか？新進、松澱典子が描く、江戸っ子伝奇ロマン登場。