６ヵ月前に男とイギリスを離れた義姉オードラを捜しに、イアリスははるばるペルーの首都クスコにやってきた。ところが、到着した翌朝に街でひったくりにあいバッグを失ってしまう。義姉の捜索を始められないまま、ただ途方にくれるばかりだった。そんなイアリスをホテルの部屋に訪ねてきた見るからに高慢な男は、オードラのフィアンセのおじ、ハアラの農場主だと名乗った。彼こそがイアリスが訪ねようとしていたたった一人の手がかりだ。だが、彼も義姉に会ったのは３ヵ月前で、今は行方知れずだと言う。「一緒に農場へ来たほうがよさそうだな」男は終始傲慢な態度だ。イアリスは男に腹を立てながらも、彼を頼るしかないと決心した。