ロンドンでフリーのジャーナリストとして活躍中のクレアは『ワールドフォーカス』誌の編集長の依頼を受けて中央アメリカのリオ・ネグロにやってきた。この貧しい国で医療活動に励む医師ウエイドを取材するためだ。少々危険だがかなりおもしろそうに思えた仕事も、想像以上に苛酷な状況を目にしては不安が先に立つ。到着後すぐに、同行の二人の男性は気分が悪くなって伏せている。ドクター・ウエイドにいろいろ相談にのってもらおう。だが、現代のシュバイツァー博士を心に描いていたクレアは、男の様子に唖然とした。よれよれの服に泥だらけのブーツ。まるで無気味な幽霊みたい。この人が医療に献身する聖人君子なの？