ノエル・チャンドラーはかんかんに怒っていた。きょうは別れた夫のスティーブが、双子の息子たちに会う日だというのに、またすっぽかしたのだ。夢ばかり追いかけていたスティーブに愛想をつかし、ノエルは銀行に勤めながら、女手ひとつで子供たちを育てている。まったく、今度という今度は許せない。激怒したノエルは、電話をかけるなり、いきなりまくしたてた。「一時間以内に約束の動物園に来てちょうだい！」ところが、一時間後に現れたのは見知らぬハンサムな男性だった。彼はブローディと名のって言った。「電話番号を間違えたんですよ。あなたが会う約束をしたのは、このぼくとだったんだ」まあ、なんてこと！ノエルは彼の視線を感んじてますます赤面した。