海辺の街、ニュージャージー州オーシャンシティ。両親のコンドミニアムのある街で、シドニー・ブラックマンはビクトリア様式の古い空き家をペンションに改造しようとしていた。大学院で学び、万年学生を自認していた彼女だが、二十五歳にしてようやく学生生活に見切りをつけることにしたのだ。双子の弟たちを相手に作業をはじめたシドニーは、陶器の置物を修理中、誤って瞬間接着剤のチューブを自分の膝にくっつけてしまう。なんとかとろうと跳びはねていると、隣家の二階を借りた無名作家のブレイクが助けてくれた。すてきな人！ブレイクを見た瞬間、そう感じたシドニーだが、彼にはどこか陰があるようで…。