小さな町でささやかな夢を抱く、やせっぽちの少女タリー。町一番の資産家の息子で、女の子のあこがれの的ジェド。高校の卒業ダンスパーティの夜、ふたりはちょっとした勢いで、おたがい十五年たっても独身だったら結婚しようと約束した。そして十五年後、ふたりは未婚のまま再会した。高校卒業後に町を出たジェドは会社経営者として。タリーは彼の牧場をまかされている馬の調教師として。だが、ジェドは牧場を売却するつもりだった。高値で売るためには、荒れた牧場を整備しなくてはならない。そのための融資を地元の銀行に申し込んだが、既婚者でなければ金は貸せないという。ジェドは昔の約束をもちだして、タリーに偽装結婚を迫った。夢に見た男性から偽装結婚をもちかけられるなんて。タリーはやりきれない寂しさを覚え、固く拒絶するが…。