人生で起こるすべての出来事は、果てしなく続く鎖のようなものかもしれない。ひとつの輪が次につながり、それがまた次につながっていく。かけだしの記者だったケイトが犯した過ちも、そうだった。五年前、彼女が書いたスキャンダル記事がきっかけでバークはひとりの娘の親権を失った。彼は復讐を誓い、実力者の怒りを恐れたケイトは職を捨て故郷を去った。そして久しぶりの帰郷の日、みぞれのなか、車を走らせていたケイトは、山道でバイクと衝突。意識を失った事故の相手の男性をコテージで介抱した。無謀なライダーとその命を救った天使。たったひと晩でふたりは強く惹かれあった。だが、彼の名を知ったとき、ケイトは凍りついた。自分こそ彼が憎みつづける記者だと打ち明けられないまま、ケイトはバークの熱烈な求愛に負けてしまいそうになる。