幼い頃に両親をなくしたマチルダは、伯父の手で育てられ、今では、ロンドン近郊の村で、伯父の診療所の手伝いをしていた。農園主の一人息子レスリーとは、つき合い始めて一年以上になる。もう結婚してもいいだろうと、村の人たちは皆、噂しているらしい。熱烈な恋愛感情はないが、恵まれた生活だとマチルダは思っていた。だがその生活も、伯父の急死によって一変した。伯父は、マチルダが一度も会ったことのない従兄に全財産を遺し、マチルダが受け取ったのは、わずかな現金だけ。それを聞いたレスリーとその両親はまるでてのひらを返したようにマチルダとの結婚話はなかったことにしたいと言ってきた。