金曜、夜９時。場所はワシントンのキャピトル・ヒル。上院議員のスタッフの１人、ヴァーナ・マイヤーは、明日からの１カ月のバカンスに備えて、夜遅くまで残業していた。バカンス先は、減量のための保養所〈ラスト・リゾート〉。必ず、すらりとした魅力的な女性に変身してみせるわ、憧れのバイラム議員を振り向かせるために。期待に胸ふくらませ、〈リゾート〉に着いたヴァーナは、うしろからとばしてきたジャガーにあやうく追突されそうに…。車の主は、やはり少々太りぎみの、メルと名のる男だった。無謀な運転ぶりに加えて、彼の、あのなれなれしさときたら。