母のリズが交通事故に遭い危篤ー知らせを受けたセイジ・ダンヴァースは少女時代を過ごしたコティングディーンへと戻ってきた。故郷への愛着と母への複雑な思いを断ち切って、すでに十五年がたとうとしている。私は母に愛されていない。その思いがいつも心の隅にあった。壁画家として成功をおさめ、世界じゅうをとびまわるいまでさえ…。生死の境にいて、母はセイジに、自分の日記を読むようにと言った。母の意図をいぶかりながらも、日記を読みはじめるセイジ。そこには一人の女として生きた、母のありのままの姿があった。さらに、セイジは、母の入院によって、村を分断してしまう自動車道路に反対する側のリーダーを引き継ぐことになった。初めての会合の日、工事を請け負うカヴァナー建設のオーナー、ダニエル・カヴァナーと再会し、セイジは動揺する。ダニエルは、セイジの大学時代の恋人スコットの友達だった…。セイジは母の過去を通して、自分自身の過去とも向きあわねばならなかった。