医療の質の向上を図るとともに、患者サービスの向上を図るため、外来患者への薬剤情報提供を拡充することは、医療機関にとって、避けることのできない課題です。どのような薬剤が処方されているのか、どのような効果が期待できるのか、どのような副作用発生のおそれがあるのか、患者が理解できるようにわかりやすい形で、関係する情報を提供するよう努める必要があります。本書は国立病院・療養所の薬剤科の有志によってとりまとめたものですが、薬剤情報提供業務は薬剤科だけの努力で実施できるものではなく、院長をはじめとする施設スタッフ全員の熱意と協力があってはじめて実現できるものです。また、ここで紹介している方法は、一律ではなく、各施設ごとにさまざまな工夫がなされています。これも、いろいろな制限がある中で、薬剤情報提供の充実を前提に、施設全体として議論していただいた結果でしょう。