価格:¥4950
著者:中村慎一/浅見真生/伊藤毅/浦蓉子/江田真毅/上條信彦
出版社:六一書房
発行年月:2024年03月11日頃
ISBN:9784864451772
種類:単行本
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われわれ現代人の日々の生活において、動物・植物・鉱物といったいわゆる自然物との関係はきわめて希薄になっている。しかし、新石器時代の中国においては、食料として、道具の材料として、あるいは建材として、自然物は日常に存在していた。生活文化の大部分を自然物が占めていたと言い換えてもよい。考古学的遺跡から出土する遺物のうち、何らかの形で人の手が加わったものを人工遺物、加わっていないものを自然遺物と考古学者は呼びならわしている。しかし、その区別は便宜的なものにしかすぎない。人工遺物であっても、その素材は粘土(土器)、石塊(石器)、樹木(木器)、動物骨(骨器)といった自然物であることに変わりはない。そこに、狭義の考古学者だけではなく、人類学、動・植物学、遺伝学、分析化学、地球化学などの専門家が研究に参画する必然性が生まれる。本書は、そうした研究者グループにより進められている日中共同研究プロジェクトの研究成果の一部を収めたものである。「1 遺物の考古学的研究」「2 動植物遺体に関する研究」「3 出土遺物の考古科学的研究」の3部構成としたが、この区分もまた便宜的なものである。いわゆる文系の学問と考えられている考古学であるが、実は自然科学者との協働なくしてはもはや成り立たなくなっている。逆に言えば、自然科学との学際的連携によって考古学は新たな飛躍のチャンスを手に入れた。伝統的な学問としての「中国語」の世界に新風を吹き込もうとする研究者たちの奮闘する姿がここにある。
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