価格: | ¥3850 |
著者: | 原野昇 |
出版社: | 渓水社(広島) |
発行年月: | 2000年10月 |
ISBN: | 9784874406113 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
フランス文学史で、物語(ロマン)というジャンルの先がけとして、「古代もの」と呼ばれる一連の作品群がある。その一つがここに訳出した『エネアス物語』である。『エネアス物語』を、そのもとになっているウェルギリウスの『アエネーイス』と比べてみると、ディドーやラヴィーヌのエネアスに対する恋愛の要素が多分に膨らまされている。その他、舞台や人物は古代のままでありながら、その行動様式や感情は中世人のものであり、城の造りや身につけている鎧兜も、戦闘の仕方も中世の騎士のそれである。『エネアス物語』は十二世紀の半ば、1150〜1155年ころに書かれた作者不詳の作品であり、現存九種の写本によって伝えられている。