農民と言えば、代々その土地に定住した者、日本の農民と言えば日本人ーこれが既存の「日本」観であった。しかしそれは本当なのか？在日朝鮮人、疎開者、開拓農民、戦後の海外農業移民といった、農村にとって外部の存在すなわち「よそ者」の歴史から近代日本社会の大変動、戦争と植民地支配の時代を捉え返し、また別の農村像、日本を描く意欲作。