近未来のニューヨーク。国際水利委員会の目録整理をおこなうアンタールのモニターに現れた古ぼけたIDカード。それは、カルカッタで消息を絶ったかつての同僚ムルガンのものだった。端末でムルガンの足跡を追い、その再現を試みるアンタール。ムルガンがカルカッタで見たものは?マラリア感染のメカニズムに隠されたもう一つの“意味”とは?そして“カルカッタ染色体”とは?過去と現代と未来、インドとニューヨークー医学史、SF、ミステリの要素を織り交ぜながら、アメリカ屈指のインド系作家が描く壮大な“陰謀”と“歴史”の物語。