価格: | ¥3038 |
著者: | 牧尾一彦 |
出版社: | 風濤社 |
発行年月: | 1998年09月 |
ISBN: | 9784892191701 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
古事記と日本書紀。西暦八世紀初頭に、わずか八年の隔たりをもって、二人の女性天皇に献上された勅撰国史。日本という国の初めを説く国史として類似の部分が多い。だが両史書を注意深く読み比べてみると、例えば天照大神という女神の扱い方において、二つは微妙なしかし決定的な対立関係を秘めている。この対立関係の背後には、各々の献上時における政治上の二大派閥の対立と抗争の政治史・思想史が密接に絡んでいる。古事記献上時の太政官筆頭(現代の総理大臣にあたる)は石上麻呂、日本書紀献上時のそれは藤原不比等であった。本書ではこの派閥抗争が、不比等の次男と長男、つまり、房前と武智麻呂の対立関係すら誘引し巻き込みつつ、大宝律令という酷令の制定と施行をめぐって発展してゆく様が詳述される。