今世紀末に飛躍を遂げた分子生物学脳生理学などの生命科学ならば、仏陀の認識を可能なかぎり実証し、説明づけることは可能であろう。筆者の予測が正しければ、２１世紀の仏教書は、生理学、精神医学用語が飛びかうことになるだろう。そこで、この視点から今一度従来型仏教というものを概括すれば、ある決定的な事実に突き当たらざるを得なくなる。「仏陀の法は現代科学以前の認識言語では説明などできない」そう、仏陀以来２５００年にわたって書き綴られてきた膨大な経文、注釈書の類は、ほとんどただの“無駄話”であったということだ。