価格: | ¥2750 |
著者: | 河本英夫/佐藤康邦 |
出版社: | ビ-・エヌ・エヌ新社 |
発行年月: | 1999年11月 |
ISBN: | 9784893697578 |
種類: | 単行本 (叢書現象学と解釈学) |
在庫状況: | |
感覚は経験の源泉であり、経験の境界でもある。横断歩道の信号を判別する際にも、危なそうなトラックを避ける際にも感覚が働いており、感覚は日常のなかで、もっとも広範囲に活動している認知能力である。にもかかわらず感覚を考察することは容易ではない。才気あふれたアイディアを出す人を、しばしば「ある人は感覚が違う」と形容する。ところが感覚が違うということは、どういうことなのかを考えてみると、ただちに立ち往生する。「感覚が違う人」になろうと希望しても、どうやればよいのか分からないのである。感覚的なものは自明なかたちで経験できているが、思考とも言語とも異質な性格をもつため、言語や思考で問い詰めていくことが容易ではない。本書は、こうした感覚の領域に迫ろうとしている。