風雲急を告げる戦国乱世、甲斐の国主・武田晴信（信玄）は、隣国駿河の盟友・今川義元とともに京を目指した。長年にわたり対峙していた越後の長尾景虎（上杉謙信）と和睦した直後の西上作戦だった。義元は松平元康（徳川家康）を先鋒に、東海道を西へ向かい、遠江、三河、そして織田信長の支配する尾張へ達した。一方、晴信も信濃から木曽を経て軍を進めたが、美濃には蝮と畏怖される斎藤道三が行く手を阻んでいた。戦国最強の騎馬軍団を率いる武田晴信の天下取りを壮大なスケールで描いた歴史シミュレーション小説。