国家の命令により出征して、空しく散っていく命。日清・日露戦争で「森〓外」が目にしたものは、激しい銃撃戦後、敵味方なく重なり合う死体の山と、救護所の外にも溢れる、血まみれになり呻き声を上げ、助けを求める兵士達の姿でした。『うた日記』中の「大野縫殿之助」は、〓外の記憶に残る戦国時代の不戦の戦い、細川幽斎（藤孝）「田邊城の戦い」を重奏させながら、戦争の愚かさを語ります。