徳川四代将軍家綱の治世、仙台藩六十二万石を背負う伊達綱宗は、飲酒癖と吉原の遊女薫に入れあげた不行跡のゆえをもってわずか二十歳で隠居を命ぜられ、二歳の亀千代が藩主となった。綱宗の返り咲きに賭ける原田甲斐は、幕閣大老として野心を燃やす酒井忠清と亀千代後見役として権勢をふるう伊達兵部の伊達家乗っ取りの策謀を見抜く。そして、亀千代毒害未遂事件…。甲斐の放った刺客虎之助は、標的の女薫と恋に落ち、駆け落ちした。権力をめぐる男たちの暗闘と、刺客たちの命運は。