価格: | ¥1210 |
著者: | 佐藤洋一郎(植物遺伝学) |
出版社: | 朝日新聞出版 |
発行年月: | 2005年10月 |
ISBN: | 9784022598868 |
種類: | 全集・双書 (朝日選書) |
在庫状況: | |
今から約1万年前、定住生活を始めた人は燃料や建材を得るため、森の木を伐った。火や水の力を利用して山を切り拓き、食料となる植物の種子を播いた。植物の花々は虫を招き、それを追って動物たちがやってきた。こうして人の手によってつくられた「里」は、多様性に満ちた生態系を作りだした。また、里は人の感性も育んだ。花は人々の色の学校となり、その香りは季節を教え、果実は味覚を豊かに広げた。ところが今、私たちの心を育んだ里は崩壊への道を辿っている。休耕田は広がり、過疎化が進み集落は消え、森は荒れ、田畑は原始の森へ呑み込まれていく。いったい何が起きているのかー植物遺伝学の第一人者が「里」に迫る危機の意味を読み解き、再生への道を提言する。