冬の陣後の和義により濠を埋められた大阪城は、たんなる裸城でしかなかった。引き続く夏の陣で後藤基次、木村重成、薄田兼相らの大阪方の闘将は悉く陣没、秀頼も自決し、豊家は滅んだ。真田幸村も奮戦の末に討たれ、真田十勇士の約々も猿飛佐助、三好清海の二人を残して討死に。大阪城は関東方の蹂躙に明け暮れた。暴行と掠奪の惨劇を目にして、佐助は徳川家に一矢酬いる決意を固めた。長篇歴史ロマン完結篇。