クイックブレッドはイーストを使わずに作るブレッドのこと。基本的にグルテンの少ない薄力粉で作り、ベーキングパウダーを膨張剤として加える。ベーキングパウダーのつくり出す膨らみは独特で、イーストとはまた違う魅力がある。ぽろぽろっと粉のもろさを愉しむ感じ。何も加えずに、粉と水を混ぜて平たくのばすだけ、という究極に原始的なクイックブレッドもある。加熱の方法も様々だ。また、素朴な持ち味のブレッドには、そば粉、ライ麦粉、小麦を丸ごと挽いた全粒粉、とうもろこしを挽いたコーンミール、からす麦を挽いたオートミールなどを使っている。だから旨みにバリエーションがある。その上、どれも手早くできるのがうれしい。簡単なものは３０分で作れる。経験者はどれから作ってもＯＫ。ブレッド作りは初めてという人は、まずは基本にトライして、そのブレッドの基本構造を感じ取ってほしい。それがうまくなるコツだと思う。次のバリエーションはきっと思いのままになる。ジャムは果物を砂糖で煮た保存食のこと。果物を砂糖で煮込むと生果とは違う、別のおいしさが愉しめる。ジャム作りの初心者はまず、いちごジャムを作ってみるといい。鍋の中で起こる変化がはっきりしているので作りやすい。煮つめるタイミングをつかんだら、あとは応用。好みの果物をジャムにしよう。また、ジャムはどれもさっと作れて１０日くらいで食べ切れる少量のレシピだ。多めに作りたいときはどちらも材料をすべて２〜３倍にするといい。本書にはジャムに近いものとして、シトラスで作るカードや乳製品で作るミルクフード、すり混ぜて作るナッツやオイルのペーストもあわせて紹介している。どれもブレッドとの相性は抜群。作っておけばテーブルが愉しくなるものばかり。簡単でおいしい。こちらも試してみてほしい。