価格: | ¥1320 |
著者: | 福田 清人/栗林 秀雄 |
出版社: | 清水書院 |
発行年月: | 2016年08月01日頃 |
ISBN: | 9784389401108 |
種類: | 全集・双書 (人と作品) |
在庫状況: | 在庫あり |
父との対立ー内面的葛藤は、志賀直哉の全青年期を支配した「一大精神課題」であったとともに、「生涯最大の劇」でもあった。父に対立し、反抗し、そして苦悩した彼は、このことゆえにかえって創作と実生活への強い意志を示したのだった。そして、志賀文学は、「感情、行動統一体として、強烈、純粋に生きる自我に即して形成される」といわれるように、絶対的な自我肯定の道を辿りつつ発現されたものだった。ここに、「志賀直哉は日本文学の故郷」と言われたり、また広くは、「小説の神様」と呼ばれたりした一因があった。彼の描いた作品は、いずれも、しみじみと、それでいて強く深い感動を読者に与える。名作と呼ばれる数々の短編をはじめ、長年かかって完成した唯一の長編小説『暗夜行路』は、日本文学の代表作品として、また小説の一つの理想形として、今日もなお、多くの愛読者をえているのである。