価格: | ¥555 |
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著者: | 江崎俊平 |
出版社: | 春陽堂書店 |
発行年月: | 1995年05月 |
ISBN: | 9784394125631 |
種類: | 文庫 (春陽文庫) |
在庫状況: |
早くに両親に死に別れ、流しの蕎麦屋を営む祖父の手で育てられた“蕎麦小町”の異名をとるお美津は、近所の若い衆がうるさくつきまとう可愛い盛りの十七才の可憐娘であったとある秋冷の月夜、そんな“二八そば”の店に立ち寄ったのは今戸の仙太郎なる遊び人風の男だったが、どうやら追われている身らしく、またたく間に武士の一隊に取り囲まれた。その一隊の頭目は江戸の道場主を震え上がらせるという烈剣の主、一刀流茨木主膳であった。盗んだものを出せ、と問い詰められる危急の仙太郎を救ったのは、どこからともなく投げ込まれた一本の緋牡丹であった。緋牡丹を投じた白頭巾とは何者か…。長屋に帰ったお美津と祖父の隣に、どこか頼りなげな若侍が引っ越してきていた…。-幕末、維新回天の世相を背景に、薄幸の美女お美津と生き別れの兄の運命を描く。