九六年六月にリヨンで開かれた先進国首脳会議(G7サミット)のキーワードは「グローバリゼーション」。会議参加メンバーだけでなく、地球規模での政策協調をうたったサミット経済宣言は、裏返してみると政体や国境を越えてダイナミックに動く経済の実態に直面して、もはや先進国主導型の経済ルールが通用しなくなったことへのG7の強い焦燥感の表れでもあります。八十年代後半、おカネの世界で始まった「世界市場化」は、いまやモノ、人、情報を含めた全経済ベースで進んでいるからです。世界経済の枠組みが大きく変化しつつあり、その行方が読みにくい現代だからこそ、時代の海をこぎ渡るためのカイが必要です。本書ではそうした期待に応えるため、メディアを通じて流れてくる様々な情報を素早く、しかも系統的に理解するための基礎知識と最新動向を提供しています。本書は世界経済の大きな枠組みとホットなイシュー、各国経済の動向を理解するのに不可欠と思われる項目を100選び、わかりやすく解説しています。