本書は大学初年級の基礎化学実験のテキストとして執筆されたもので、構成は一般的注意および操作法、基礎的な化学反応、イオンの定性分析、無機化合物の合成、定量分析、有機化学実験、物理化学実験、コンピュータの利用の８章となっている。特に次の点に留意して執筆されている。平易で身近なテーマを大幅に取り入れ、また理解の助けとするため問題を適宜挿入。著者自身が、改良したり新たに開発した教育的な実験をいくつか導入。特別な装置を使わないで所定の時間内に安全に行うことができる実験を多く採用。化学変化の現象的な面のみでなく、実験の背後にある理論や意義をわかりやすく解説。新教育課程において必修となったコンピューターの活用について解説。実験室における廃液処理などの環境保全対策や事故防止法なども詳述。著者の長年の講義経験をもとに、必ずしも化学を専門としない学生のためにもわかりやすく書かれている。