壮大な南蛮制圧の夢を持つ織田信長は、東洋最大の大坂軍港のかたわらで黒光りする巨大軍船を造船し始めていた。途方もなくデカい。従来の最大の軍船「安宅船」の三倍はあり、総鉄帳り、百丁艪、大口径の鉄砲・大砲を備えた世界初の「装甲軍艦」だった。それを十隻、造ろうとしていた。しかし南蛮制圧の前に強大な九州の大友宗麟を討たねばならない。その鍵は島津家と連合できるか否かにあった。信長の命を受けた羽柴秀吉兄弟が薩摩に乗込んで行く。