価格: | ¥3080 |
著者: | 西原稔 |
出版社: | 平凡社 |
発行年月: | 2000年06月 |
ISBN: | 9784582842067 |
種類: | 単行本 (平凡社選書) |
在庫状況: | |
なぜベートーヴェンは、「楽聖」とまで呼ばれるようになったのか。ベートーヴェンの音楽そのものが「偉大」であったから、だけだろうか。本書はこの問に、19世紀後半から20世紀にかけて近代国家建設を急いだ日本、ドイツ、フランスの政治、社会、文化の状況に即して答えようとする。国家主義や民族主義、教養主義やロマン主義、さらには社会運動といった、「近代化のエートス」が生み出した様々な思潮が複雑に絡み合い、行政、教育、演奏、文学、社会運動といった場所で、ベートーヴェンは次第に「楽聖」へと祭り上げられていく。ベートーヴェンを頂点とする「西洋音楽史」という歴史叙述が、どのようなモメントによって生まれたのかを、豊富な資料と新鮮な視点から解明した音楽社会学の労作。