価格: | ¥1760 |
著者: | 青山繁晴 |
出版社: | 扶桑社 |
発行年月: | 2022年11月21日頃 |
ISBN: | 9784594093181 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | 在庫あり |
時は、たった今の令和の時代への渡り廊下のような一夜。平成の終わりだけが告げられ、次の時代が令和となることはまだ分からないという平成二十九年、西暦二〇一七年の十二月だ。翌々年の五月には令和の世となる一歩前である。場所は古都の没落した家、そこで始まった何気ない夜に、百年を見渡す物語が思いがけず隠れていた。蔵の財産をすべて捨てるというユニークな直接行動をとる祖母が、ほんとうは日本人と日本社会の闇と格闘する日々を重ねてきた。それを二十九歳、みずからも苦しみのただ中に居る男子の手で明らかにする姿を、意識の流れと呼ぶべき手法も用いて劇的に、哀切に、そして平易に語り尽くす。