価格: | ¥11000 |
著者: | 揚妻 祐樹 |
出版社: | 和泉書院 |
発行年月: | 2023年03月27日頃 |
ISBN: | 9784757610620 |
種類: | 全集・双書 |
在庫状況: | 在庫あり |
明治20年代以降の文章を、文章の動態である“語り”と静態である“語法”との両面から論じる。文章を論じる際には、社会的に行われている文章と、個々人が創造する文章とを分けて考察をするのが普通の考えであった。和文体、漢文訓読体などは社会的な文章のスタイルであり、二葉亭四迷、尾崎紅葉などの文体は個人の文体であると見なされるのである。しかしこのように考えてしまうと、明治20年代以降の「表現苦時代」(坪内逍遙)の中で、書き手たちが表現の何に苦慮し、その成果を後進の書き手が受け継ぎ、新たな文体を確立してきたか、見えなくなる。E.コセリウの考える通り、言語の使い手は同時に言語の創造者でもあると考えてこそ、この問題はクリアできると考える。